背景
ノートルダム大学には、学生の起業支援としてIDEAセンターが設けられています。
そこでは多くの学生が、アイデアを製品にし、製品を新たなビジネスにするため、3Dプリンターを活用しています。
ノートルダム大学では、20 年にわたり3Dプリンターを採用してきました。しかし、教職員や学生は低価格3Dプリンターによる問題に悩まされていました。
メンテナンス、修理、トラブルシューティングにかかるコスト
ノートルダム大学では当初、その価格の安さから民生用(家庭用)3Dプリンターを導入していました。
しかし、多くの学生が3Dプリンターを用いて部品や製品を製造するようになると、それらの造形物の品質の低さを実感しました。
また、造形の失敗や装置内の詰まりが発生すると、それらを解決すべくメンテナンスやトラブルシューティングにも多くの時間や人員が必要になりました。
3Dプリンターは学生たちのアイデアを形にするための手段であり、信頼できるツールとして、確実に動作する必要があります。
工業用3Dプリンターの導入
そこで新たにStratasys社のF120およびF370を導入しました。
すると、これまでメンテナンスやトラブルシューティングにかかっていた時間を大幅に削減することができ、その効果は装置購入後、一年間で採算が取れるほどのものでした。
また、学生は自分たちのアイデアを高い造形精度で再現することができます。
上位機種へのさらなる期待
Stratasys社のF120、F370の高い信頼性と一貫した性能を受け、ノートルダム大学は新たにF770を導入しました。
F770は372,000㎤を超える造形サイズを実現し、より幅広い学生たちのニーズに対応することができます。
教職員と学生は、これらStratasys社の3Dプリンター3機種を下記のように使い分けています。
F120は、人手の介入が少ない、基本的な造形を担います。多数の造形が必要な際は、複数台併用して活用しています。
F370は、F120よりも大きな部品の造形に活用します。
さらに大型の部品、または小型部品の量産の際には、F770を活用します。
また、F770の利点は造形物を分割しなければならないという問題の解消にもあります。
F770を導入する以前は、大型の製品を造形するには複数の部品に分割しなくてはなりませんでした。そのため、設計に追加の時間を費やし、最適なデザインが実現できないこともありました。
しかしF770の導入により、大型製品も一度の造形で実現できます。
ノートルダム大学では、学生のさまざまなアイデアを3Dプリンターが形にしています。
このことから3Dプリンターは大学機関だけでなく、あらゆる製造業において活用できる可能性を持っています。
この事例で登場した製品
Stratasys F370
造形サイズと対応材料を拡充したモデル
Stratasys F770
さらに実生産向きの大型造形機種
従来の大型機種に比較し、コストメリットも特長