背景
世界のほぼすべての国で革新的な最先端のスポーツシューズのアパレルやアクセサリーを提供することは決して小さな偉業ではありません。
しかし、世界中で170以上の子会社および40,000人以上の従業員をかかえるアディダスグループはまさにそれを行っています。
アディダス、リーボック、テーラーメイドの商品名で継続的に製品を改良するために、この創業80年の会社は、デザイン、開発、製品プロセスを継続的に変革するために最新の技術を常時注視しています。
そのため、ドイツのヘルツォーゲンアウラッハに本社を置く同社が、Objet Connex500 3Dプリンティング・システムを設置した最初の企業の1つとなりました。ラピッドプロトタイプ技術について知識のあったアディダスグループは、かつて、デザイン検証のために3Dプロトタイプを作製するために、Objet Quadra Tempo(Objet Edenの前身)とその後はObjet Eden330を使っていました。
独自のマルチ素材3Dプリント技術をもったObjet Connex500が開発されたとき、アディダスグループは、同社の能力と精度を向上させる絶好の機会として捉えました。
課題とソリューション
「さまざまなデザイン部門からのプロトタイプの内部要求が急速に成長しており、弊社の既存の3Dプリンタのビルドサイズが小さくなってきたのです。 さらに、ビルドごとに1つの素材だけでプリントするのではもはや十分ではありませんでした。今では、Objet Connex500により、デジタル時代に突入しました」 と、アディダスグループのサンプル開発上級マネージャーOlga Heidel氏は熱く語ります。大急ぎで作製された複合デジタルマテリアルを含む複数の素材から作られたモデルをプリントする機能により、アディダスグループは現在、デザイン・開発プロセスの初期段階で機能テストを実施することができます。
これによりかなりの時間の節約ができ、アディダスが本当の競争力を得ることができました。 アディダスがこのユニークなマルチマテリアルの3Dプリント技術を使用する前は、すべてのアディダスのプロトタイプは、3D仕様に応じてすべての単一ジョイントやしわをモデル化するために、特殊なツールを使って12名の技術者によって手作業で作られていました。
Objet Connexの導入以来、3Dモデルを作製するのに必要な人は最大2名となりました。
結果:スピードと精度が強化されました
アディダスグループは、製品と社内顧客の要件に対する強い要求を満たすために、昼夜にわたり プリントしています。
Objet Connex 3Dプリントを使って得られた新しいスピードと高速モデル作製により、 デザイナーは、迅速に究極の最終製品コンセプトに到達することができ、顧客の望みを即座に満たすことができるようになりました。さらに、エラーが即座に検出され、除去することができます。
16ミクロンの層でプリントする機能を使い、Objet Connexは、他の追随を許さない精度と 表面品質で3Dモデルを作製して、最終製品の正確なアイデアを伝えています。
さらに、1つのビルドで使用可能な幅広いObjet素材、 カラー、さまざまなショアグレードにより、アディダスグループは、ランニングシューズの実際の外側の底を正確にシミュレートするプロトタイプを作製できるようになりました。モデルは、正確な、すなわち生きているような外観と感触を備え、追加の仕上げも必要としません。
たとえば、“サッカー”カテゴリにおいて、Objet Connex 3Dプリンタで作製したモデルは、デザインおよび例示を目的として使用され、トラクションテストを、開発・設計プロセスの初期段階で行います。標準的なランニングシューズの場合、フィットとデザインの変更の正確さを確認するために、フィットモデルが主にプリントされています。
アディダスグループのプロトタイプ作製技術者Steffen Scherer市は、述べています。
「弊社内部顧客からのプロトタイプの要求は 非常に高いのです。昼夜にわたってプリントを行っており、24時間のサービスを提供しています! Objet 3D プリンタのおかげで、現在では、モデルをわずか1日か2日で評価、受け入れが可能であるため、かつての金型作りのプロセスに比べて、仕事を4~6週間短くすることができるようになりました。 社内顧客は、本当にこの信じられないほど短い納期に実際感謝しています」
「実際に何かを手にもつことができるというのは魅力的です。今では、靴底、ねじり部品、機能部品をデザイン段階の非常に早い時期に作製できます」