コラム

おすすめの産業用3Dプリンターメーカー3社

2024年01月17日

3Dプリンター選定で大事な2つの面

ここ数年で新興の3Dプリンターメーカーは急増しました。お客様にとって豊富な選択肢があることは良いことと考えています。

しかし、産業用(工業用)の3Dプリンターは産業機械です。選定においては、造形品質・長期安定性・速度・使用できる材料・造形サイズといったスペック面と、企業としてのサポート体制の両面を考慮する必要があります。

これらを考慮し弊社がお客様に安心して提供できると考えた厳選メーカーについてご紹介いたします。

海外では既に3Dプリンターを「実生産」で使うことが当たり前に。
そのノウハウが一足飛びに得られるとしたら?

1つの製品に、何個の部品が使われていますか?会社全体では、何種類の部品がありますか?
多い企業では万単位の部品が存在すると思います。

それらの部品の中から3Dプリンターでの生産に向いている部品を自動で見つけ出し、
続々と生産を効率化していけるシステムがあるとしたら、御社の生産はどう変わるでしょう?

3Dプリンターでの部品実生産ノウハウを
御社にインストールするシステム
CASTOR

産業機械商社がお勧めする3Dプリンターメーカー3社

Stratasys(ストラタシス)

Stratasys社は、世界No1シェアを持つ産業用3Dプリンターメーカーです。3Dプリンターの世界で最もメジャーな方式である「FDM方式」の開発元でもあります。
造形方式が様々な3Dプリンターを提供しており、「FDM方式」をはじめ、「Polyjet方式(インクジェット方式)」、「光造形方式」、「SAF方式」のラインナップがあります。

FDM方式は工業用樹脂に熱を加え溶解し、それを一筆書きで1層ずつ積層することで造形する、現在3Dプリンターにおいて主流の方式です。
Stratasys社はFDMの元祖だけに非常に技術力が高く、従来目立ちがちであった層を積み上げた際にできる段差を抑えた造形を可能にしています。
造形モデルの活用法として試作品はもちろん、強度が高いため治工具や最終製品としてもお使いいただけます。

Polyjet方式(インクジェット方式)は、材料を噴射し、それに対し光を当てて1層ずつ積層する、2Dプリンターでいうインクジェットプリンターに似た方式です。
高精細で美しいモデルができる、様々な造形材料を使用したフルカラーや質感の表現ができるため、デザイン検証や樹脂型としての活用に適しています。
Stratasys社はこの方式においてもリードしており、デザイン試作には無二の機種が揃うメーカーであるといえます。

光造形方式・SAF方式は、表面の均一な高精細なモデルの造形が可能な方式です。さらに生産性が高いため、試作ではなく最終製品の部品製造として活用が可能です。

また近年ではFDM方式の機種にも、生産性が高く製造過程や量産に使えるものが増えており、3Dプリンターでの生産をお考えの方にはStratasys社の製品をお勧めいたします。

DesktopMetal(デスクトップメタル)

Desktop Metal社は金属3Dプリンターの専門メーカーです。これまで取り扱いに難があり価格も高額であった金属3Dプリンターの世界を一変させ、「使いやすい金属3Dプリンター」を実現しました。

従来の金属3Dプリンターは金属粉末を使用した方式で造形していたため、取り扱いが容易ではありませんでした。

そこでDesktop Metal社は、BMD(Bound Metal Deposition)方式を採用することで取り扱いやすさを実現しました。

BMD方式は、3つの段階を経て金属の造形物を作る方式です。
まず金属とポリマーとワックスでできた素材を熱で溶解し、積層することで造形します。次に造形物からバインダーを除去します。これは専用の脱脂装置で、金属とバインダーが混ざった状態からワックスを除去します。最後に専用の焼結装置で焼結を行い、金属部品として求められる物性を持った造形物が完成します。
製品としてはこの金属3Dプリンターを含む3つの装置を1つのシステムとして提供する形式で販売されています。

金属素材で低コストに造形したい、金属の製品開発を高速化したい、金属パーツの多品種少量生産に使いたいといったシーンで最適です。

UltiMaker(アルティメーカー)

UltiMaker社は2011年に設立されたオランダの3Dプリンターメーカーで、全世界130,000台以上の出荷実績があります。

産業用として使用できる品質かつ、比較的安価で導入しやすいデスクトップ型の3Dプリンターを提供しています。
造形サイズは最小で(X)223mm x (Y)220mm x (Z)205mm、最大で(X)305mm x (Y)305mm x (Z)320mmまでとなっており、豊富なラインナップから必要な造形サイズや機能をもとに選択可能です。

使用可能な材料の種類が多く、造形精度も高いため、産業用パーツの生産に活用いただけます。

旧MakerBot(UltiMakerと合併)

旧MakerBot社は個人向けの3Dプリンターの先駆者であり、パーソナルユースとしては10万台以上の出荷実績を誇る世界シェアNo1の3Dプリンターメーカーです。
現在ではUltiMaker社と合併し、ローエンドとハイエンドの中間となる製品を展開しています。

提供する3Dプリンターの位置付けもUltiMaker社と近く、個人向けと産業向けの中間的な機種を取り揃えています。中でも造形材料としてナイロンベースのカーボンファイバー材料を使用したモデルがあり、治工具や最終製品の造形など、よりハイレベルな活用が可能です。

まとめ

様々な造形方式や用途に応じて、それぞれの分野で優れた製品を提供しているメーカーをご紹介いたしました。

大きく分けると、試作品をはじめ、治工具や最終製品などの生産にも活用したい場合にはStratasys、金属素材の造形が必要なシーンにはDesktopMetal、大型のモデルを造形したい際にはMassivit、産業用3Dプリンターを導入したいものの予算が少ない場合にはUltiMakerの製品をお勧めいたします。

ですが詳しいお客様のご用途やニーズ、ご予算感によって選定可能なモデルは様々です。3Dプリンターの検討でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

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アルテック株式会社 デジタルプリンタ営業部 3Dプリンタ営業課 渡邊 誠也
学生時代に3Dプリンターと出会う。以来、3Dプリンターに関わる仕事を求めアルテックに入社。さらに3Dプリンターの沼に入り込み、個人でもMakerbot社の3Dプリンターを所有。その知識量から、部内では3Dプリンターマイスターと呼ばれている。 さらに最近は愛犬家としても社内で知られている。
日々お客様からいただく生の声を糧に、「今、本当に求められている情報」をWebサイトやWebセミナーで精力的に発信している。

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