3Dプリンタとアートの融合
ミラノサローネ出展の「MAYUPO」プロジェクトに、 3Dプリンタで造形したファッションロボットを提供
機械専門商社のアルテック株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:張能 徳博/ちょうのう のりひろ)は、ファッションデザイナーである菱沼良樹氏が手掛ける「MAYUPO」プロジェクトの「ファッションロボット」を世界トップシェアを誇るストラタシス社製(イスラエル・米国)3Dプリンタ(Fortus 450mcをはじめとするFDMシリーズ)で造形し、提供いたしました。
本作品は4月14日(火)~19日(日)にイタリア・ミラノにて開催されるミラノサローネに出展されます。
ファッションロボット「MAYUPO」とは!
機械作業の延長線上といった従来のロボットのイメージを払しょくし、芸術やアートを表現できるような、人の分身のような愛らしい女の子型ロボット。
2060年の日本、東京のNEO-SHIBUYAが舞台。ロボットが人間にとってなくてはならない存在になり、「MAYUPOが作り出すファンタジーや平和な思いを世界の人々と共有したい!」との思いから生まれました。
(写真右:3Dプリンタで造形したMAYUPO)
ファッションデザイナー 菱沼良樹氏
3Dプリントによりオリジナルな作品を仕上げることができました。
「まだ3Dプリントという名前がなく、ラピッドマニファクチュアリングといわれていた頃から最も新しい立体を作るテクニックとして大変興味を持っておりました。
今回はじめてのファッションロボット『MAYUPO』をこの3Dプリント技術で製作し、その作業の早さ、正確さに大変感動致しました。
使える素材もさまざまな選択ができ、より作品に奥行きを与えることができました。3Dプリントの後、研磨・塗装をすることによりオリジナルな作品に仕上げることができました。」(菱沼良樹氏)
1958年
仙台市生まれ。
三宅デザイン事務所を経て、1980年フリーランスデザイナーとなる。
1983年
第1回毎日ファッション大賞 新人賞受賞。
1992年
ヨシキヒシヌマ ブランド設立と同時に、パリ・コレクションをスタートする。
1996年
毎日ファッション大賞受賞。
1999年
オランダ・ハーグのジェーメンテミュージアムにて「ヨシキヒシヌマ展」を開催。
同国、ネザーランドダンスシアターヨーロッパ公演「アルキンボルド・2000」バレエ衣装のコスチュームデザインを手掛る。
2001年
イリ・キリアン「black bird」衣装デザイン。
2004年
パリ・オペラ座にて“La Septime Lune”三島由紀夫の「近代能・斑女を基にした新作バレエ」の衣装デザインを担当。
2005年
アクシスギャラリーにて、3Dニット展を開催する。
2009年
ドイツ、ミュンヘンバイエルン国立劇場“ZOLVOGEL”バレエの衣装デザイン。
パリ・オペラ座、京都・清水寺にて「天野喜孝、菱沼良樹&EVE展」を開催。
2012年
パリにて“YOSHIKI HISHINUMA COUTURE”オーガニックリネンとコットンを使用したオーガニッククチュールを世界で初めて発表。2013年にはパリ、シンガポールでも“YOSHIKI HISHINU MA COUTURE”発表。
ミラノサローネとは
イタリア・ミラノで毎年4月に開催され、 6日間で約30万人が訪れる世界最大規模のデザインフェスティバル。インテリアデザインにおける国際見本市と、ミラノ市街各所で行われるメーカーやデザイナーの展覧会や展示会をあわせてミラノサローネ(MILANO ISALOINI)と呼ばれています。
世界中からメーカーやデザイナーが一同に会し、その年のデザイン・トレンドがいち早く発信されます。
2015年の開催は4月12日~18日。
アルテック株式会社 デジタルプリンタ営業部 3Dプリンタ営業課 課長 立山 豪
はじめお話を頂いた時には、普段我々があまり接点を持たない業界であることと、「ファッションロボット」と言う初めて聞く言葉に、どのような物ができあがるのか?と純粋な興味からぜひお手伝いさせて頂ければと思いました。スケジュール的にも余裕のない中でのプロジェクトということもあり、当初は不安もありましたが、 CAD※の設計も良く、3Dプリンタの造形は難なく終えることができました。途中経過や塗装の状態を拝見させていただいておりましたが、3Dプリンタによるデジタルなものづくりと、研磨や塗装と言った匠の技によるものづくりを見せて頂き、我々が普段余り目にしない仕上がりに驚きと同時に感動すらも感じました。
3D プリンタは今や業界を問わずさまざまなものづくりの現場で活躍しておりますが、これを期にファッションやアートと言った分野でも更に 3D プリンタに注目して頂ければ幸いです。
今回使用した3DプリンタFortus 450mcの特徴
Stratasys社が所有するテクノロジーの1つであるFDM方式を採用した機種であり、高精度・高耐久性の造形が可能な 3Dプリンタ。ABS を始め、ポリカーボネートや ULTEM、Nylon12等の10 種の材料が使用可能です。
積層ピッチも 4種類 から選択でき、細部にこだわったプリントと高速プリントの組合せを調整できます 。