板金加工とは?
2025年02月17日
薄い金属板に、切断や折り曲げ、溶接などを施し、目的の形状に成形する加工のことです。
板金加工は、製造業をはじめとするさまざまな業界・分野で活用されています。
ここでは板金加工について広く解説し、中でもコアとなる曲げ板金加工について、具体的な方法をご紹介いたします。
次世代の板金加工成形機 Figur G15
金型を必要とせず、目的の形状をダイレクトに成形。
特許技術により高精度成形を実現し、試作や少量生産に最適。
板金加工の活用例
板金加工が行われている業界やそのアプリケーションとして、下記の例が挙げられます。
- 自動車業界:車のボディや、エンジンなどの内部部品の製造・試作
- 航空宇宙業界:航空機の機体や、エンジンなどの内部部品製造・試作
- 電子部品業界:電子機器の筐体や、カバーなどの部品製造
- 建築業界:建造物の内装や外装に使用するパーツの製造
この他にも、金属部品を扱う幅広い業界で板金加工技術が活用されています。
板金加工の工程
板金加工は、目的の形状に成形するまでに下記のような工程で進められます。
図面の設計
金属板から立体形状を作り上げるなど、設計では完成品に必要な状態に関して図面を作成することで、加工方法や加工順序を決定します。
切断加工
図面をもとに金属板を必要な形状に切断します。
完成品によっては切断してパーツを複数に分けることや、必要な箇所に穴をあけることもあります。
前処理
切断加工を終えた金属板は、この後の工程によりそのまま最終完成品となるため、ここで前処理を行います。
主に切断面の研磨が行われます。
曲げ加工
金属板に力を加えて変形させます。
板金加工の工程の中でも曲げ加工は、最終目的の形に大きく近づく、コアとなる工程といえます。
そのため、曲げ加工で使われる手法や機械は複数あり、用途に応じてより良い方法が選定されます。
曲げ加工は、金属の塑性(力を加えて変形させると元の形に戻らなくなる性質)を利用しています。
板金加工における曲げ加工は、大きく分類すると塑性加工の一種といえます。
溶接
複数の加工部品を接合するため、溶接が行われます。
図面の設計時に、どこを分けて加工し後から溶接を行うかなども決められています。
後処理
最終完成品とする前に、溶接部分の研磨やメッキなどの塗装を行います。
曲げ板金加工の種類
板金加工の中でも曲げ加工は、目的の形状や完成品の用途によっていくつかの方法があります。
手加工板金
技術者の手作業により、曲げ加工を行う方法です。
専用の工具や設備を使用して、金属板を叩くまたは押し曲げるなどの圧力を加えて成形します。
技術者の経験やノウハウが必要ではありますが、自由度が高く精度の高い加工を行うことができます。
また、一つの完成品につきかかる時間が長いことから、少量生産や試作に向いています。
機械板金
曲げ加工を行う機械も存在します。
プレス加工機
金属板を金型で挟み圧力をかけることで、曲げ加工を行う方法です。
機械によって自動で作業が行われるため、生産スピードが速く量産向きです。
設備が大掛かりなため、製造品の切り替えが頻繁にある現場では扱いが難しいという難点もあります。
インクリメンタル成形機
専用の工具を使用して金属板に圧力を加え、凹凸を形成することで目的の形状に成形します。
簡単にいうと、手加工板金を技術者に代わって機械の手で行うイメージです。
しかし、インクリメンタル成形機は成形に時間がかかり、手作業に比べて成形品質も低いことが課題とされています。
新技術を搭載した板金成形加工機
インクリメンタル成形機の課題を、特許技術で解消した板金成形加工機です。
曲げ加工において必要とされてきた金型を使わずに、板金成形が可能です。
成形にかかる時間の低減と、成形品質の向上を両立する、新しい板金成形加工機です。
この記事の監修者

日々お客様からいただく生の声を糧に、「今、本当に求められている情報」をWebサイトやWebセミナーで精力的に発信している。